インタビュアー（以下Ｉ）：それでは菅原臨床工学技士長様、本日はどうぞよろしくお願いします。
女性の臨床工学技士長というのは、数少ないケースですね。貴重な機会を頂けて光栄です。
菅原臨床工学技士長（以下Ｓ）：こちらこそ、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。
そうですね、女性臨床工学技士長は数的には少ないかもしれませんね。やりがいあるポジションを
与えてくれている病院に感謝しています。
Ｉ：御社に関して、臨床工学技士のことを中心に、色々と伺っていきたいと思っております。
まず、御社の臨床工学技士（ＭＥ）は、具体的にどのような業務を担当されていますでしょうか。
Ｓ：はい、まず当院は、病床156床と透析ベット42床を持つ中堅病院です。
この地域周辺では、透析ベッド数はかなり多い方だと思います。その分臨床工学技士の数も
比較的多く、現在は臨床工学技士だけでも8名体制です。
行う業務としては、透析業務・医療機器管理・ＩＣＵ透析です。
機器管理は、一般的なもので、呼吸器・輸液ポンプ・シリンジポンプ・モニター・ＡＥＤなどの
メンテナンス。透析は、通いの患者さんもいれば、入院の患者さんもいます。
介助業務は、人がいなければたまに手伝ったりします。
食事介助をすることもまれにありますが、排泄介助はありません。
車椅子からベッドへの介助は比較的多いです。
使っている機械は東レで、比較的操作が簡単なので、未経験の方も覚えやすいかなとは思います。
Ｉ：働く職員にとっての、御社の良いところを教えて頂けますでしょうか。
Ｓ：奥州病院はかなり『ママさん職員』に理解がある職場です。
まず、院内保育所の充実。基本保育・夜間保育・一時保育が可能です。
病院によっては、「看護師しか預けられない」というところもあるみたいですが、
当院では、全ての職員が預け入れ可能です。
また、保育所だけではなく、「子供が突発的に熱を出した」といった急なことにも
対応してくれます。職員同士で『困ったときには助け合う』という雰囲気がうまく作れてます。
私自身、一児の母ですので、このことでかなり救われました。子供に問題が起きたときは
休みを取らせて頂いてました。
Ｉ：『助け合う』雰囲気が、自然と作れているのは素晴らしいことですね。
Ｓ：月並みですが、職員は皆、とても良い人達ばかりだと思います。
それもあって、20年以上この同じ職場でやり続けていられるのかもしれません。
もし報酬がさらに良かったとしても、人間関係や職場の雰囲気が悪かったら、決して20年は
続かなかったと思います。私も臨床工学技士長をやらせて頂いている分、周りの方への配慮を
常に忘れないよう、心がけていきたいと思っています。
Ｉ：未経験の臨床工学技士でも、御社で働く始めることは可能でしょうか？
Ｓ：はい。一から丁寧に教えていきますので、そこは心配なさらなくて大丈夫かと思います。
研修参加などは希望にそった形で参加してもらっておりまして、スキルアップの良い機会に
して頂ければなと思います。また、認定士に関しては講習会費は病院負担で参加可能ですので、
積極的に利用してもらえればと思います。
Ｉ：御社は今後どのような方向を目指していらっしゃるのでしょうか？
Ｓ：これは、私が答えていいかわかりませんが(笑)、当院は透析とリハビリテーションを
医療サービスの2本の柱と決め、2つの柱を中心に、地域のニーズに対応した医療サービスを
提供しています。地元の方もこれから高齢化を迎え、増々患者様は増えていくのではないかと
思われます。もちろん、中にはあたりの厳しい患者さんもいらっしゃいますが(笑)、地域に根ざして
やっている分、職員に対して温かく接してくれる患者さんが多いような気がします。
Ｉ：東京など、別の地域からのＵターン・Ｉターン職員の受け入れは可能でしょうか？
Ｓ：もちろんです。この地域の自慢と言えば、都心などと比べたら物価や家賃も安いと思いますし、
地域ならではの名所もあります。冬は寒いですが、『東北の人は温かい』と耳にしたりしますよね。
確かに悪い人はそんなに多くない気がしますよ。
もちろん仕事は大変なこともありますが、住んでいて、あまり不便や大きなストレスを感じることは
多くありません。そういう意味では、思い切って東京などからこの地域に移り住んでみるというのも
1つの選択肢になったりするのかなと思ったりします。
Ｉ：御社の魅力と、地域の魅力が伝わりました。この地域を愛してくれる人が1人でも増えれば、
とてもうれしいですね。本日は、ありがとうございました。
Ｓ：こちらこそ、ありがとうございました。
